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画像生成AIに必要なVRAMはいくつ? SD1.5 / SDXL / FLUX.1 / 動画生成をモデル別に整理

SD1.5・SDXL・FLUX.1・Wan2.xの動画生成まで、公式ドキュメントの推奨VRAMだけを表で整理。8GB/12GB/16GBで何が回るか、fp8やオフロードの逃げ道、Radeonの注意点も公式の範囲でまとめた。

搬入口の幅が違う倉庫に、額縁入りの画像を運び込もうとしているイメージ
AI生成のイメージ画像です

画像生成は8GBから入門できる。SDXLを主戦場にするなら12GB、FLUX.1や動画生成まで視野に入れるなら16GB以上が現実的なラインだ。

「画像生成AIに何GB要るのか」——検索すると体感ベースの数字がバラバラで、余計に迷う。

だからこの記事は、モデル提供元やツール公式が文書に書いている数値だけを集めた。俺が試した数字ではなく公称値だ。出典は末尾に全部並べる。

VRAMがゲームとAIでどう違うかはVRAMの解説記事に譲り、ここではモデル別の数値に絞る。

モデル別の「公称」推奨VRAM一覧

モデル 世代・規模 公称の目安 備考(出典の記述)
Stable Diffusion 1.5 512×512学習、約0.9Bパラメータ 4GB(AUTOMATIC1111公式READMEに「4GB video card support、2GBでの動作報告あり」) 一番軽い。拡張資産も最多
SDXL 1.0 1024×1024、ベース3.5B 8GB(Stability AI公式発表「8GB VRAMのコンシューマGPUで有効に動作するはず」) 「動作する」の公称。余裕を見るなら12GB
FLUX.1 [dev] 12Bパラメータ FP16で23.9GB / FP8で14.9GB / FP4で11.1GB(NVIDIA技術ブログ、TensorRT低VRAMモード時) FP4はRTX 50シリーズ限定。フルパイプラインFP16は33.7GB
FLUX.1 [schnell] 12Bパラメータ、1〜4ステップ GB表記の公称なし。ComfyUI公式は「VRAMが限られた機器に適する」 Apache 2.0で商用可
動画: Wan2.1 T2V-1.3B 1.3B、480P 8.19GB(Wan公式README「ほぼすべてのコンシューマGPUに対応」) RTX 4090で5秒480P動画が約4分
動画: Wan2.2 TI2V-5B 5B、720P@24fps 公式READMEは24GB以上(例: RTX 4090)。ComfyUI公式は「ネイティブのオフロードで8GBに十分収まるはず」 ツールのオフロード実装で公称が変わる例
動画: Wan2.2 A14B MoE 27B(有効14B) 単GPUで80GB以上(公式README) 個人PCの範囲外

表を眺めると、8GB→12GB→16GB→24GBの各段で「載るモデル」が1つずつ増えていくのが分かる(仕分けは最終節で)。

現場でいえば、VRAMは搬入口の幅だ。資材(モデル)が通らなければ、中でどれだけ手際よく段取りしても着工できない。

VRAMが足りないときの逃げ道は3つ(公式にあるものだけ)

搬入口が狭いときの対処も、公式に用意されている。

1. 精度を落とす(fp8 / fp4)

ComfyUI公式のFLUX解説は「weight_dtype を fp8 にするとメモリ使用量が半分になるが、品質がわずかに下がる可能性がある」「リソースがあれば公式の16bit版を推奨」と書いている。

NVIDIAの数値でも、FLUX.1 [dev]はFP16 23.9GB → FP8 14.9GB → FP4 11.1GBと段階的に下がる(低VRAMモード時)。ただしFP4はRTX 50シリーズのTensor Core機能で、40シリーズ以前はFP8までだ。

2. モデルを分割してCPU側に退避する(–medvram / –lowvram)

AUTOMATIC1111公式wikiの説明はこうだ。

  • --medvram: モデルをcond・first_stage・unetの3つに分け、1つだけをVRAMに置き、他はCPU RAMへ送る。「性能は落ちるが、少しだけ」
  • --lowvram: さらにunetを多数のモジュールに分割し、1モジュールだけをVRAMに置く。「性能には壊滅的」
  • --medvram-sdxl: SDXLモデルにだけ --medvram を適用

--medvram までが実用範囲、--lowvram は「動くだけ」の非常口、というのが公式の見解だ。

3. オフロード(CPU RAMに肩代わりさせる)

FLUX.1のモデルカード(dev/schnell両方)は、diffusersの enable_model_cpu_offload() を「VRAMを節約する。GPUに余裕があれば外す」と説明している。Wan公式READMEも --offload_model True --t5_cpu を、ComfyUIも「ネイティブのオフロード」を用意している。

ここで効くのがメインRAMだ。ComfyUI公式はFLUXのT5テキストエンコーダについて「RAM 32GB超ならfp16版を推奨」としている。VRAM不足をRAMで肩代わりする以上、RAM 32GBは画像生成でも前提になりつつある。

NVIDIA前提のツールが多い理由と、Radeonの注意点

正直に書くと、画像生成の主要ツールはCUDA(NVIDIA)を第一候補に作られている。AUTOMATIC1111のREADMEも手順の筆頭がNVIDIAで、高速化オプション --xformers は「NVIDIA GPU専用」だ。

Radeonが使えないわけではない。ただし条件がつく。

AUTOMATIC1111公式wiki(AMDページ)の記述

  • Windows: 「Windows+AMDの公式対応はまだない」。代わりに lshqqytiger 氏のDirectMLフォークを案内。VRAM 4〜6GBなら --opt-sub-quad-attention --lowvram --disable-nan-check を推奨
  • Linux: webui.sh がROCm版PyTorchを自動インストール。ただし「多くのAMD GPUではNaNエラーやクラッシュを避けるため --precision full --no-half--upcast-sampling が必要」。RX 6000系などは fp16 でそのまま動く例外あり

ComfyUI公式README/システム要件の記述

  • Linux: ROCm 7.2(stable/nightly)
  • Windows: ROCm 10.0 のAMD製PyTorchパッケージ。RDNA 2 / 3 / 3.5 / 4 に対応、Windows 11 + Python 3.13が要件
  • Intel Arc は torch.xpu、Apple Silicon はMetal、GPUなしは --cpu(低速)

つまりRadeonは「動く環境が公式に整いつつある」が、追加フラグやOS制限がついてまわる。最初の1台なら、素直にGeForceの方が手戻りは少ない。環境構築はWSL2+CUDAの記事に書いた。

で、どのGPUを選ぶか

公称値を踏まえた俺なりの仕分けはこうだ。

8GB: SD1.5とWan2.1 1.3Bが守備範囲。SDXLは公称8GBだが、拡張を積むと --medvram-sdxl 前提になりやすい。「まず触る」用途なら十分

12GB: SDXLの主戦場。FLUX.1はRTX 50世代ならFP4で11.1GBなので載るが、40世代以前のFP8(14.9GB)は入らない。世代とセットで判断

16GB: FLUX.1 [dev]のFP8が載る最初のライン。動画生成もComfyUIのオフロード込みで現実味が出る。「AI開発を趣味と呼べる」ラインはここからだと思う

12GBと16GBの差はRTX 5070 vs 5070 Tiの比較記事で掘った。実売機は今週のセール機をVRAM基準で仕分けた表、総合評価は二刀流ランキングへ。

画像生成のVRAMは「何を回したいか」を先に決めれば、公称値から逆算できる。 型番より先に、搬入口の幅を測ろう。


※本記事は各モデル提供元・ツール公式ドキュメントの公称値に基づく整理です。実際のVRAM使用量は解像度・バッチ数・拡張機能・ドライバにより変動します。筆者による動作検証は行っていません。

出典(2026-09-12閲覧)